看護師が環境整備を行う際には、院内感染を防ぐためにも、看護師自身が感染するのを防ぐためにも万全の身支度で作業を行います。

環境整備の中で特に重要なのは環境清掃です。
感染が広がる原因の1つに病室の共有が挙げられます。感染症に感染した患者さんが使用していた病室、ベッドを通して、次に入院した患者さんが感染する可能性があるからです。
また、医療従事者の手を通し、感染を広げてしまうこともあります。汚染された医療器具や患者さんのベッドなどに触れ、手を洗わずに他の患者さんに接触して感染を拡大させることもあります。手指衛生や環境を清潔に保つことが環境を介した感染を防ぐのに役立ちます。

WHOで推奨されている手指衛生のタイミングは、患者さんに触れる前と患者さんに触れた後、清掃と消毒の前、患者さん周辺の物品や環境に触れた後です。
環境表面に存在する病原体は、長期間生存することもあります。たとえば、黄色ブドウ球菌(MARSを含む)は、7日間〜1年も生存することが分かっています。新型コロナウイルスも環境中に長期間生存することが分かっています。環境整備は感染症を防ぐ意味で非常に重要なのです。
病室を含む医療施設内の環境表面には、細菌やウイルス、有機物が付着しています。ドアノブやベッドの柵と手すりなどはよく触れるため、直接感染に関与する可能性が高いです。

このように、よく触れる場所は清掃、消毒を徹底して感染を防ぎましょう。